研究課題
これまでの技術経営研究は、開発のプロセス、生産のプロセスの効率に焦点をあて、どれだけ優れた技術を素早く安価に産み出すか、すなわち、how to makeに関する議論を中心に行ってきた。しかし、昨今、日本を代表するエレクトロニクス産業や自動車産業は、激しいコモディティ化の潮流に巻き込まれ技術的に優れた製品、高い機能性能を有した製品を開発してもそれに見合うだけの収益性を確保することができなくなっている。それは、技術製品の複雑化に伴う分業化、モジュール化により、SCMの位置取りによって必ずしも開発企業に利益が還元される状況でなくなったためであるが、これらの先進的な開発メーカーが新たな製品コンセプトを産みだし続けることができなくなれば、現在利益を上げている設備・部材メーカーやODM企業、流通なども長期的には共倒れの状況を避けることはできない。本研究では、こうした新たな技術や製品を生み出すメーカーが、従来の機能・性能の進化というベクトルだけで製品開発を行うのではなく、分業化と国際協調をうまく活用しながら、新たな価値の軸を産みだし、価値と設計情報をつなぐ製品コンセプト開発のマネジメントについて、その効果的な手法の検討を行ってきた。本研究で協調したいのは、製品コンセプト開発段階で「何がその製品の価値なのか」を純技術的あるいは、純マーケティング的に極端に捉えるのではなく、両社を統合しながら、技術を価値に結びつける統合能力の重要性と、ここでいう価値というものが必ずしも技術的進化そのものだけではなく、顧客の主観的・情緒的な価値を以下にマネージするかが重要であるという2点である。
すべて 2012 2011
すべて 雑誌論文 (6件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)
一橋ビジネスレビュー
巻: 59-4 ページ: 161-161
巻: 59-4 ページ: 116-125
組織科学
巻: Vol.45, No.2 ページ: 28-42
国民経済雑誌
巻: Vol.203, No.4
巻: 45-2 ページ: 4-73
神戸大学経済経営研究所経済経営研究
巻: 60 ページ: 21-52