2010年はスコットランドにおけるコミュニティ・スクールの近年の変遷について、パースとダムフリース&ギャロウェイの両地域をとりあげて調査した。 2008年にはじまる世界不況と、保守党への政権交代により、現在英国全体では予算削減の勢いがましており、スコットランドもその影響をおおきくうけている。コミュニティ・スクールにかかわる実践はほぼ事業予算に依存していたため、この予算削減の余波を正面からうけており、事業の縮小をせまられるところがすくなくない。たとえばダムフリースでは、ホーム・リンク・ワーカーがすべて解雇となり、コミュニティ・スクールとよべる取り組みが皆無となった。 そのなかでパースは独自の予算化をすすめて、これまでの取り組みを継続している。成果も着実に現れており、さらに、新たに四つの学校をコミュニティ・スクールにする計画も進行している。これらの事例について情報を収集し、当事者の声をあつめた。 また国内で外国人集住地域や旧産炭地などの地域で、多文化共生や人権教育の延長線上でコミュニティ・アプローチをとる小学校の事例の訪問調査も同時におこなった。
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