2011年は合衆国のコミュニティ・スクールを検討するため、カリフォルニア州のサンフランシスコとカリフォルニア州の2つの都市で、コミュニティ・スクールの取り組みをおこなう大学、NPO、小中学校を訪問した。 合衆国ではオバマ政権にかわり、コミュニティ・スクールのような貧困削減の取り組みが追い風をうけており、なかでもプロミス・ネイバーフードによる事業資金は大規模な支出となっている。今回はその事業者として採択されたカリフォルニアのNPOのとりくみをとくにふかく検討した。またUCLAやスタンフォード大学のように、大学が社会正義をかかげ貧困地域に付属校をたちあげたり、貧困地域の学校と協働して大規模な介入をする事例をみた。さらに合衆国の状況についての資料収集をおこなった。 これらにより、合衆国でのコミュニティ・スクールが西海岸で大きく広がりをみせていること、またNPOが実質的に運営する学校が成果をあげていること、貧困地域ではチャーター・スクール化がおおいこと、大学の付属校が貧困にチャレンジしていることなどが明らかとなった。 また2011年度は韓国釜山におけるコミュニティ・スクールを再度おとずれ、追跡調査をおこなった。韓国でも福祉教員を配置するなどの施策があり、その予算の規模、活動の実態などが明らかとなった。 さらに昨年度にひきつづき、国内で外国人集住地域や旧産炭地などの地域で、多文化共生や人権教育の延長線上でコミュニティ・アプローチをとる小学校の事例の訪問調査も同時におこなった。
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