本計画では、これまで世界最軽量であった日本のすざく衛星のX線望遠鏡を、重量で2桁軽量化しつつ、角度分解能は1桁向上した、「1000cm^2の有効面積と10秒角の分解能を備えたkgクラスの究極の軽量X線望還鏡」を目指す。鍵となるのが日本が得意とする様々なマイクロマシン技術である。我々は本計画以前に、シリコン結晶異方性エッチングを用いて製作した鏡面で軽量化の基本概念を実証してきた。本計画では、(1)シリコンドライエッチングによる軽量X線反射用の微細構造の製作、(2)X線LIGAを用いた軽量X線反射用の金属微細構造の製作、(3)磁気流体を用いたエッチング面の研磨、(4)アニールを用いたシリコンエッチング面の平滑化、(5)塑性変形もしくは弾性変形による高精度な変形の開発を行う。この方法で開発する望遠鏡は我々のオリジナルである。 昨年度、我々はドライエッチングとアニール、塑性変形を使った大開口効率(40%)の4インチシリコンX線光学系を試作し、可視光での結像実証に成功した。またニッケル)麻光学系の新たな製作プロセスを公安し、テストを開始した。成果は国内学会で4件の発表を行い、国際学会で5件の一般発表と1件の招待講演を行った。また5本の投稿論文を書き上げて、4本が受理された。また日米で2本の修士論文をまとめた。
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