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2010 年度 実績報告書

重陽子・陽子分解反応測定による核子間三体力モデルの精緻化

研究課題

研究課題/領域番号 20684010
研究機関東北大学

研究代表者

関口 仁子  東北大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (70373321)

キーワード三体力 / 核力 / 重陽子-陽子散乱 / 少数系 / スピン / 偏極重陽子
研究概要

理研RIビームファクトリ(RIBF)において偏極重陽子ビームを用いた重陽子-陽子散乱による三体力(核子間三体力)の研究を行う事を目的として、一昨年、昨年度は重陽子ビーム加速に必要なビームライン、及び検出器系の建設を行い、250MeV/nucleon偏極重陽子ビームによる重陽子-陽子弾性散乱の測定を行った。本年度は、重陽子-陽子散乱のデータをまとめ、論文として発表した(Physical Review C誌)。250MeV/nucleonの結果から、重陽子-陽子散乱の高運動量移行領域では、二体力のみでは実験値を再現できず、また三体力の主要成分と考えられている藤田・宮沢型を考慮しても厳密理論計算(ファデーエフ計算)と実験値とに顕著な差が現れる事が判明した。この結果は、少数核子系分野で注目されるところとなり、アジア少数系国際会議において招待講演を行った(2011年8月、ソウル)。またこの結果を受け、エネルギー依存性を調べるため、本年度は300MeV/nucleonの同反応の測定も実施した。同測定について250MeV/nucleonの結果と併せて理論計算との比較を行ったところ、特定の運動量領域以下(3fm-1)では二体力と藤田・宮沢型の三体力を考慮する事により実験値をよく説明するが、それ以上の運動量領域では二体力、また藤田・宮沢型の三体力のみを考慮しても実験値を再現しない事があきらかになった。
これまでの予想では、核力の高運動量成分が反映される200-400MeV/nucleonの付近の核子-核子散乱は二体力の記述は正しく、また三体力の効果は小さくなると考えられてきたが、本研究で行われた重陽子-陽子散乱の高精度測定により、高運動量成分の三体力を含む核力の定量的な議論の必要性が示された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Three nucleon force effects in intermediate-energy deuteron analyzing powers for dp elastic scattering2011

    • 著者名/発表者名
      K.Sekiguchi, et al
    • 雑誌名

      Physical Review C

      巻: 83 ページ: 061001-01-061001-05

    • 査読あり
  • [学会発表] Experimental Approach to Three Nucleon Forces in Few Nucleon Systems2011

    • 著者名/発表者名
      K.Sekiguchi
    • 学会等名
      Fifth Asia-Pacific Conference on Few-Body Problems in Physics
    • 発表場所
      ソウル、韓国(招待講演)
    • 年月日
      2011-08-26
  • [学会発表] Nucleon-deuteron Scattering as a Probe to Study Three Nucleon Force2011

    • 著者名/発表者名
      K.Sekiguchi
    • 学会等名
      ECT^* workshop on Three-Nucleon Forces in Vacuum and in the Medium
    • 発表場所
      トレント、イタリア
    • 年月日
      2011-07-14

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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