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2008 年度 実績報告書

走査プローブ法によるグラフィンの磁場中局所状態密度観測

研究課題

研究課題/領域番号 20684012
研究機関東京大学

研究代表者

松井 朋裕  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40466793)

キーワード物性実験 / 走査プローブ顕微鏡 / 半導体物理 / 低温物性 / 表面・界面物性
研究概要

本研究は走査トンネル顕微/分光法(STM/STS)によるグラフィンの磁場中電子状態の実空間観測を目的とする。測定には主に我々が独自に開発した超低温STM(ULT-STM)を用いるが、低温・磁場中でSTM/STS観測を行うためには、グラフィン上にSTM探針を誘導するための試料の微細加工が必要となる。昨年度はまず、そのために必要な環境を整えた。これにより他グループの装置に頼ることなく、歩留まりよく試料を自作できるようになった。作成した試料をSTM観測したところ、グラフィン表面が微細加工時に汚染されていることが分かった。しかし様々な洗浄方法を試みた結果、グラフィン原子画像のSTM観測に成功した。
一般にグラフィンには作成方法の違いによって2つの種類が知られている。ひとつはグラファイトを劈開して作成する劈開グラフィンで、もうひとつはSiC上に成長させるSiCグラフィンである。研究はまず劈開グラフィンからはじめて、2年目(今年度)にSiCグラフィンにも着手する計画であったが、計画を前倒しして、昨年度後半からSiCグラフィンの作成・研究を開始した。これまでに多層グラフィンの作成には成功し、STM観測においてその原子画像を確認した。
当初は伝導度測定可能なSTM用試料ステージの製作を計画していたが、その代わりに、そのような試料ステージを有すると同時に、STMと原子間力顕微鏡(AFM)の性能を併せ持った走査プローブ顕微鏡(SPM)を購入した。これは大きさや材質など、ULT-STMに組み込めるように設計されている。このSPMにより、同じグラフィン試料について伝導度特性、STMでは測定不可能な絶縁基盤上での試料の位置・形状、局所電子状態密度をその場で測定することが可能となった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] グラファイト系物質における磁場中2次元電子系のSTM/STS観測2008

    • 著者名/発表者名
      松井朋裕
    • 学会等名
      カーボンナノチューブとグラフェンの物性評価とエレクトロニクス応用
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      2008-12-27
  • [学会発表] グラフェンのランダウ準位観測2008

    • 著者名/発表者名
      松井朋裕
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋季大会
    • 発表場所
      岩手
    • 年月日
      2008-09-21
  • [学会発表] Scanning Tunneling Microscopy and Spectroscopy Observations of Graphene (グフラィンのSTM/STS観測)2008

    • 著者名/発表者名
      松井朋裕
    • 学会等名
      LT25. (第25回低温物理国際会議)
    • 発表場所
      Amsterdam, Netgerlands
    • 年月日
      2008-08-08
  • [学会発表] STM/STS Observations of Graphene in Magnetic Fields (グフラィンの磁場中STM/STS観測)2008

    • 著者名/発表者名
      松井朋裕
    • 学会等名
      ICN+T2008(ナノサイエンス+テクノロジーの国際会議)
    • 発表場所
      keystone, Colovado, USA
    • 年月日
      2008-07-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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