研究課題
マイクロSQUID(Superconducting Quantum Interference Device)素子を用いて、マイクロメータサイズ・ナノメータサイズの磁性微粒子・磁性構造体の磁化測定システムの開発および、それを使った測定を行うことを目標に研究を行っている。研究初年度である平成20年は、既存の高温超電導体マイクロSQUID素子を用いた測定の改良と、より高感度な測定を目指した低温マイクロSQUID素子の装置の立ち上げを行った。高温超伝導素子では、いくつかの素子での測定を行い、臨界電流値などに素子依存性があることがわかり、素子を選別することでより低温(4K付近まで)での測定が可能であることが明らかになった。いくつかの分子性磁性体マイクロ結晶の測定を行い、印加磁場の角度を変え、磁気異方性の測定を行った。マイクロ微結晶の発生する磁場のSQUID位置での計算などを行い、磁化を定量的に測定する方法を確立しつつある(日本化学会にて発表)。低温SQUIDは、Nbを用いた素子で、産業技術総合研究所で素子を作成してもらい、これまでの素子サイズより1/ 10〜1/ 100程度の大きさの素子を使って実験を行った。臨界電流値が、大きく異なることから、これまでのFluxed Locked Loop回路をそのまま用いることができない。このため、測定法を変える必要があることが判った。そのための準備として、プリアンプ、周波数カウンターなどの装置を購入し、有効な測定法の開発を行っているところである。
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Review of Scientific Instruments 79, 033909
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