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2010 年度 実績報告書

微小周期構造で起こす原子の共鳴遷移:光ではできない操作をめざして

研究課題

研究課題/領域番号 20684017
研究機関東京農工大学

研究代表者

畠山 温  東京農工大学, 大学院・工学研究院, 特任准教授 (70345073)

キーワードレーザー冷却 / 原子泉 / 磁性ガーネット / 周期磁場
研究概要

よく体系化され膨大な応用のある光(電磁波)-原子相互作用による共鳴遷移現象との比較を念頭において,周期構造体と原子の相互作用による原子の内部状態の共鳴遷移現象を、特に低速原子と微小周期磁場構造を用いた実験を通じて研究した。大きく分けて,以下の2つの課題に取り組んだ。
(1)ミリメートルオーダーの周期磁場に室温程度の速度の漏れ出し原子ビームを通し,原子スピンのコヒーレント制御実験を行った。そして,原子の量子状態のコヒーレント制御が周期構造体を用いて可能であることを実証し,結果を査読論文として公表した。
(2)昨年度完成したレーザー冷却原子泉型低速原子ビームと,マイクロメートルオーダーの微小周期磁化パターンを持った透明磁性体薄膜とを相互作用させる実験を行った。透明磁性体薄膜表面でのエバネッセント波を使った原子ミラー技術を用いて,磁性体表面に原子ビームを衝突させずに反射することには成功したが,その時同時に起こすことを狙っていた原子の磁気共鳴遷移は観測されなかった。表面近傍マイクロメートル程度で原子を操作することは,ある程度予想はしていたがそれほど容易ではなく,さらなる研究が必要である。
(2)の困難を打開するための試みとして,マイクロメートルオーダーの表面周期磁化磁性体に漏れ出し原子ビームを相互作用させる実験と,固体表面への原子の吸着エネルギーを小さくし表面での非弾性衝突を抑える効果があると期待できるコーティングの研究とを行った。それぞれ着実に前進したが,マイクロメートルオーダーの周期場との相互作用による共鳴遷移を観測することにはつながらなかった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Spin nutation induced by atomic motion in a magnetic lattice2010

    • 著者名/発表者名
      Y.Kobayashi, Y.Shiraishi, A.Hatakeyama
    • 雑誌名

      Physical Review A

      巻: 82 ページ: 063401(1-5)

    • 査読あり
  • [学会発表] 周期構造物による共鳴励起は冷却原子研究の新たなツールとなりうるか2010

    • 著者名/発表者名
      畠山温
    • 学会等名
      応用物理学会・量子エレクトロニクス研究会
    • 発表場所
      上智大学セミナーハウス(長野県)(招待講演)
    • 年月日
      2010-12-18
  • [学会発表] 周期磁化表面との相互作用による低速原子の磁気共鳴2010

    • 著者名/発表者名
      膳裕記, 石川陽平, 猪野智也, 高杉祐太, 畠山温
    • 学会等名
      日本物理学会2010年秋季大会
    • 発表場所
      大阪府立大学(大阪府)
    • 年月日
      2010-09-23
  • [学会発表] Spin nutation induced by atomic motion through a magnetic lattice2010

    • 著者名/発表者名
      A.Hatakeyama, Y.Kobayashi, Y.Shiraishi
    • 学会等名
      International Conference on Atomic Physics 2010
    • 発表場所
      ケアンズ(オーストラリア)
    • 年月日
      2010-07-26

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公開日: 2012-07-19  

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