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2009 年度 実績報告書

生きものの力学物性を支配する非平衡統計力学

研究課題

研究課題/領域番号 20684018
研究機関九州大学

研究代表者

水野 大介  九州大学, 大学院・理学研究院, 特任准教授 (30452741)

キーワードマイクロレオロジー / バイオレオロジー / 非平衡系 / 細胞骨格 / 光ピンセット / 非平衡生命科学 / モーターたんぱく質 / メカノセンシング
研究概要

長期間安定的に細胞を培養するためには、細胞培養液中に酸素、二酸化炭素、栄養分が十分に供給され、かつ、排泄物がバルクの培養液中に拡散希釈される必要がある。また、試料チャンバーの体積に対して表面積が増大すると、バクテリア、マイコプラズマ等により汚染される可能性が増える。従来のマイクロレオロジー計測システムでは、高いNAを持つ(従って)短作動距離の油浸コンデンサーレンズを使用して、試料を通過したトラップレーザーを集光していたため、サンプルを狭いセル中に封入する必要があった。そのため、簡便に計測試料を作製することと、長期にわたり細胞の健全性を保つことが困難であった。
そこで本研究では、細胞培養可能な広帯域マイクロレオロジー計測システムを構築した。マイクロレオロジー計測では、水による吸収の少ない近赤外レーザー(1064nm, 830nm)を、高いNAを持つ対物レンズで試料中に集光し、コロイド粒子を光トラップする。トラップ後のレーザー光の回折を4分割光ダイオードで検出し、コロイド粒子位置を精密検出する。今回作製する計測システムでは、油浸コンデンサーレンズのかわりに水浸対物レンズで透過光を集光した。水浸対物レンズは培養液に直接浸すことができるため、これにより計測試料を狭い空間に封入する必要がなくなった。さらに試料台上方にピエゾ駆動のシアーセルが設置できるように工夫し、細胞に外部から応力を与え、細胞内部の粘弾性が申請者らの発表した理論通りに制御されるか確認できるようにした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Viscoelastic response of a model endothelial glycocalyx2009

    • 著者名/発表者名
      N.Nienhuis, D.Mizuno, J.A.E.Spaan, C.F.Schmidt
    • 雑誌名

      Physical Biology

      巻: 6 ページ: 025014

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High-resolution probing of cellular force transmission2009

    • 著者名/発表者名
      D.Mizuno, R.G.Bacabac, C.Tardin, D.Head, C.F.Schmidt
    • 雑誌名

      Physical Review Letters

      巻: 102 ページ: 168102

    • 査読あり
  • [学会発表] 生き物の非平衡力学物性2010

    • 著者名/発表者名
      水野大介
    • 学会等名
      物理学会若手奨励賞受賞記念講演
    • 発表場所
      岡山大学 津島キャンパス
    • 年月日
      2010-03-21
  • [図書] Cell Mechanochemistry. Biological Systems and Factors Inducing Mechanical Stress, Such as Light, Pressure and Gravity, Chapter 22010

    • 著者名/発表者名
      Rommel G.Bacabac, Daisuke Mizuno, Gijsje H.Koenderink
    • 総ページ数
      23-54
    • 出版者
      Transworld Research Network,
  • [備考]

    • URL

      http://sleipnir.sci.kyushu-u.ac.jp/mizuno/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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