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2010 年度 実績報告書

生きものの力学物性を支配する非平衡統計力学

研究課題

研究課題/領域番号 20684018
研究機関九州大学

研究代表者

水野 大介  九州大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (30452741)

キーワードマイクロレオロジー / バイオレオロジー / 非平衡系 / 細胞骨格 / 光ピンセット / 非平衡生命科学 / モーターたんぱく質 / メカノセンシング
研究概要

安定した細胞培養を行うためには、酸素、二酸化炭素、栄養分が十分に供給され、排泄物がバルクの培養液中に拡散希釈される必要がある。また、試料の体積に対して表面積が増大すると、バクテリア、マイコプラズマ等により汚染される可能性が増える。そこで研究代表者は前年度までに、細胞培養可能な広帯域マイクロレオロジー計測システムを構築した。当該システムでは、水による吸収の少ない近赤外レーザー(1064nm,830nm)を、高いNAを持つ対物レンズで試料中に集光し、コロイド粒子を光トラップし、トラップ後のレーザー光の回折を4分割光ダイオードで検出し、コロイド粒子位置を精密検出している。また、油浸コンデンサーレンズのかわりに水浸対物レンズで透過光を集光した。水浸対物レンズは培養液に直接浸すことができるため、これにより計測試料を狭い空間に封入する必要がなくなった。
さらに試料台上方に超音波駆動のシアーセルが設置できるように工夫し、細胞骨格に外部から応力を与えつつマイクロレオロジー計測を行った。応力の印加に伴い細胞骨格は異方的に激しく硬化することを発見した。この細胞骨格の異方的硬化挙動を説明する理論を構築し、申請者らの発表した理論通りに制御されることを確認した。さらに開発したシステムを用い、細胞内部における力学特性と揺動散逸定理の破れとしての非平衡揺動力を定量化することで、細胞の力学知覚現象の物理メカニズムを細胞内部の非平衡統計力学を通して明らかにした。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Non-Gaussian athermal fluctuations in active gels2011

    • 著者名/発表者名
      T.Toyota, D.A.Head, C.F.Schmidt, D.Mizuno
    • 雑誌名

      Soft Matter

      巻: 7 ページ: 3234-3239

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞の力学知覚の物理メカニズム2011

    • 著者名/発表者名
      水野大介、中益朗子
    • 雑誌名

      生物物理

      巻: 51 ページ: 014-017

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 細胞骨格の非平衡揺らぎと力学特性2011

    • 著者名/発表者名
      水野大介
    • 雑誌名

      日本物理学会誌

      巻: 66 ページ: 276-280

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Nonlocal fluctuation correlations in active gels2010

    • 著者名/発表者名
      David Head, Daisuke Mizuno
    • 雑誌名

      Physical Review E

      巻: 81 ページ: 041910

    • 査読あり
  • [学会発表] レーザーインターフェロメトリーによる細胞(骨格)の非平衡力学特性計測2011

    • 著者名/発表者名
      水野大介
    • 学会等名
      (社)レーザー学会 第31回年次大会
    • 発表場所
      電気通信大学
    • 年月日
      2011-01-10
  • [学会発表] 細胞骨格の非平衡力学特性と細胞の力学知覚の物理メカニズム2010

    • 著者名/発表者名
      水野大介
    • 学会等名
      第3回 定量生物学会
    • 発表場所
      東京大学生産技術研究所
    • 年月日
      2010-11-27
  • [学会発表] 細胞骨格ネットワークの非平衡力学特性2010

    • 著者名/発表者名
      水野大介
    • 学会等名
      第59回高分子討論会特定テーマバイオの視点からのゲル科学の新展開
    • 発表場所
      北海道大学高等教育機能開発総合センター
    • 年月日
      2010-09-15
  • [学会発表] Exploring the physical calibration mechanism for cellular mechano-sensing2010

    • 著者名/発表者名
      D.Mizuno, R.G.Bacabac, C.Tardin, D.Head, C.F.Schmidt
    • 学会等名
      SPIE : Optical Trapping and Optical Micromanipulation
    • 発表場所
      Sandiego
    • 年月日
      2010-08-04

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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