研究課題
本研究は、地球規模で起きた大陸の移動にともなう広域かつ活動的なテクトニクスによる炭素-酸素-水素-硫黄安定同位体の研究から、それらの循環過程を明らかにすることを目的とする。本年度は、とくに4つの硫黄同位体に焦点をあてた。そのためにフェムト秒レーザー装置(Spectra-Physics)を導入し、据え付け・立ち上げ作業を行った。購入したフェムト秒レーザー装置の仕様は以下のとおりである。繰返し周波数 : 1kHz、パルス幅 : <120fsec、パルスエネルギー : 1mJ、発生源ビーム径 : 8mm、波長範囲 : 780〜820nm試料に対して数十ミクロン領域の同位体分析を行うための光学系の設計・制作を以下のように進めた。1) エネルギーや繰返し周波数、また焦点からの距離を変化させて磨いた硫化物の厚片にレーザーを照射させる基礎的な実験を行った。その試料をSEMで観察したところ、数十ミクロンスケールの明瞭な円形をした"ablatioh pit"が観察され周囲に熱による変色等の影響は見られなかった。2)硫黄同位体測定のため硫化物をフッ素と反応させ六フッ化硫黄を作る反応槽を作成した。六フッ化硫黄専用の新しい真空ラインを設計・完成させ反応槽と接続し真空チェックを行った。3)六フッ化硫黄標準ガスを質量分析計MAT-251に導入し、質量127、128、129、131のピーク位置を確認した。現在、六フッ化硫黄の四つの同位体を同時に測定するためにコレクターの改良とチューニングを進めている。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (5件)
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences 103
ページ: 361-364
Geological Society of London, Special Publication 308
ページ: 147-164
ページ: 1-20
ページ: 165-181