研究課題
本研究では、温室効果ガス中の炭素-酸素-水素-硫黄(C-O-H-S)元素の地殻-地球大気間の移動について、硫黄の四つの同位体をレーザー切除法で処理することで、1) 「マントル」から「大気」へのC-O-H-S流体の「移動」と広域なテクトニクスとの関係、2) 「堆積物」から「大気」へのC-O-H-S流体の「移動」と大陸衝突との関係、3) C-O-H-S元素が、硫化物やグラファイトとして下部地殻に「固定」される過程、を明らかにすることを目的とする。本年度は、六フッ化硫黄の四つの同位体を同時に測定するために以下のことを行った。1) 初期状態のMAT-251では、SF_6の各安定同位体の4つのピーク(質量数127,128,129,131)が、4つのコレクターごとに同時に入射できないため、コレクターを薄くした。2) 改良したコレクターを用いて六フッ化硫黄標準ガスを質量分析計MAT-251に導入し、129/127をモニタリングした。この実験で精度・確度ともに良い結果を得ることができた。したがって硫黄同位対比^<34>S/^<32>Sが分析可能になった。3) IAEAが配布している硫黄同位体の国際標準物質(Ag_2S)からSF_6を生成し、同位体分析を行った。4) 特殊に製作した反応層で、フッ素大気のもと硫化物単結晶にフェムト秒レーザーを照射し、SF_6が生成することを確認した。現在、生成したSF_6に含まれる不純物の除去方法を模索しつつ、精度・確度を高めるための実験を進めている。さらに、4つの同位体を同時に測定するためにコレクターの改良も引き続き行っている。
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