研究概要 |
惑星間の鉄の存在度や存在状態の多様性を理解するための第一歩として,原始惑星系円盤での惑星材料物質において鉄の総量がどの程度であったか,存在状態の異なる鉄が惑星形成直前にどのように分布していたかの理解が重要である.本研究では,原始惑星系円盤内で鉄の存在状態を変える主要化学反応である金属鉄凝縮や金属鉄の硫化反応の速度やメカニズムを室内実験で解明することを目的とし,これらの反応の速度論パラメータを得ることに成功した.また,金属鉄形成の際に競合関係となるケイ酸塩フォルステライトの成長過程の理解も重要であるため,フォルステライト成長の速度論パラメータも取得した.これらの速度論パラメータはいずれも原始惑星系円盤条件で得られ,世界で初めてのデータである.
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