研究概要 |
タンパク質のセリン・スレオニン・チロシン残基のリン酸化は, 細胞内シグナル伝達のON/OFF調節に関わる最も主要な分子過程である. 本研究では従来にない全く新しい原理の分子プローブ("分解制御型プローブ"と呼ぶ)を開発し, 生体内(in vivo)ならびに細胞内の微小ナノ局所における蛋白質のリン酸化の可視化計測を共に実現することを目的とする. 平成20年度においては, 分解制御型プローブを設計し, これをコードするcDNAを遺伝子工学的手法を用いて作製した. 培養細胞にcDNAを導入し, 分解制御型プローブ(タンパク質)の発現を確認した. このプローブが細胞内のタンパク質分解系"ユビキチン-ープロテアソーム経路"により分解されることも確認した. また, キナーゼ(インスリン受容体)によりインスリン依存的にプローブがリン酸化を受けること, リン酸化を受けたプローブはユビキチン-ープロテアソーム経路による分解を受けなくなることを示した.
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