研究課題
本年は昨年に引き続き、二次元画像化をのための装置改良を行った。1、QTF型AFMプローブに変更すれば格段の性能向上が期待できると考え、変更改良を行った。QTFは市販の32kHz音叉型水晶振動子(CMAC製φ2mm×6mm)を使用して、水晶振動子部分のパッケージングを除去し、音叉の片側に細線15□mの金属細線をマイクロマニピュレータで取り付けることで、新しいNC-AFMプローブを製作した。また新プローブを、名古屋大学と高エネルギー加速器研究機構で検査するためのテストシステムの作成を行った。しかし、本年度は以上の改良にもかかわらず、残念ながら分解能を向上したデータを出ることができなかった。この原因は金属細線の取り付けと先端処理が最適にできなかったためと分析した。本年度の予定が遅れてしまったが、本研究の根幹であることから、来年度引き続き行うものとする。具体的には、金属細線の前処理過程の改良を行う。2、これまで測定試料の作成は、外部の別装置を用いて行う仕様であった。また金属蒸着ソースも一つしかなく、一回の実験では一つの元素種のみの実験が行える仕様であった。今年度はこれを改良し、新たに3元蒸着系の取り付けをおこなった。3. これまでの蒸着試料に加え、新たな方法でXANAM試料を作成した。イオン液体という室温でも液体である塩に対してプラズマ蒸着を行うと均一粒径を持つナノ粒子がイオン液体中に生成する。このナノ粒子をHOPG、TiO2単結晶基板に固定化して、試料として使用した。これまでのところ、粒径が5nm程度であるため、分解能評価に有利に有利な試料であることが判明した。2の試料と合わせ、XANAM試料として今後の研究に使用する事にした。
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Surf. Science (in press)
Journal of Nanoscience and Nanotechnology 9
ページ: 195-201