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2009 年度 実績報告書

カーボンナノチューブ薄膜の表面修飾による超低摩擦の実現

研究課題

研究課題/領域番号 20686013
研究機関神戸大学

研究代表者

木之下 博  神戸大学, 工学研究科, 助教 (50362760)

キーワードカーボンナノチューブ薄膜 / マイクロトライボロジー / 高摩擦係数 / アモントン-クーロンの摩擦法則 / 原子ビーム / 表面修飾 / ぬれ性
研究概要

前年度まで荷重レンジをμN、摩擦チップの先端曲率半径を数μmとしていたが、このような条件では各カーボンナノチューブ(CNT)に過大な力が働きチップに大きな曲げ反力が加わったために、高摩擦力が生じたと思われる。そこで今年度は直径が数mmのボールを用いて摩擦実験を行った。その結果、前年度までは摩擦係数が1を超えることが多々あったが、直径が数mmのボールを用いた時には摩擦を繰り返すうちに摩擦係数は0.1を下回るようになった。これは多数の摩擦を繰り返すうちに表面から飛び出しているCNTが塑性変形をうけ、結果的に多数のCNTでボールを支えることができ、一本のCNTに加わる力が減少し曲げ反力が著しく減少したためと思われる。それゆえさらなる単位面積当たりの摩擦面積の増加によって摩擦力減少を実現できると思われる。
また表面修飾のみならず、水和潤滑で摩擦係数を低減する試みとしてレーザープラズマ型超熱原子ビーム発生装置を用いて、超熱フッ素原子や酸素原子ビームをCNT薄膜に照射することによって、フッ化や酸化の修飾を行いCNT薄膜の濡れ性制御を行った。CNT薄膜に400shotsの超熱フッ素原子ビームの照射を行ったところ、表面はフッ化されていたが走査電子顕微鏡(SEM)観察では殆ど変化は見られなかった。また接触角を測定したところ160°と超撥水性をしめした。また超熱酸素原子を照射したCNT薄膜の場合は、酸化され拡張濡れが生じるほど濡れ性が高い超親水となっていた。このように超撥水・超親水CNT薄膜を対抗させてその間に水を導入し、水和潤滑によってアメンボが水を滑るように超低摩擦を実現できる可能性が示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Superhydrophobic/superhydrophilic micropatterning on a carbon nanotube film using a laser plasma-type hyperthermal atom beam facility2010

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Kinoshita, Akio Ogasaharaa, Yoshiyuki Fukudaa, Nobuo Ohmae
    • 雑誌名

      Carbon

      巻: 48 ページ: 4403-4408

    • 査読あり
  • [学会発表] レーザープラズマ型超熱原子ビーム装置によるカーボンナノチューブ薄膜上への超撥水・超親水マイクロパターンの作製2010

    • 著者名/発表者名
      木之下博, 小笠原章夫, 福田嘉之, 大前伸夫
    • 学会等名
      第71回応用物理学学術講演会
    • 発表場所
      長崎大学(長崎県)
    • 年月日
      2010-09-16
  • [学会発表] 超熱フッ素および酸素原子ビーム照射によるカーボンナノチューブ薄膜の濡れ性制御2010

    • 著者名/発表者名
      木之下博, 小笠原章夫, 福田嘉之, 大前伸夫
    • 学会等名
      ナノ学会第7回大会
    • 発表場所
      東京大学(東京都)
    • 年月日
      2010-05-09
  • [学会発表] Microtribological properties of carbon nanotube films fluorinated by the high anisotropy and low energy fluorine atoms beam2009

    • 著者名/発表者名
      H.Kinoshita, N.Matsumoto, N.Ohmae
    • 学会等名
      World Tribology Congress 2009
    • 発表場所
      国立京都国際会館(京都府)
    • 年月日
      2009-09-09
  • [学会発表] 超熱原子ビームで表面を修飾されたカーボンナノチューブ薄膜のマイクロトライボロジー2009

    • 著者名/発表者名
      木之下博・松本直浩・大前伸夫
    • 学会等名
      トライボロジー会議2009春
    • 発表場所
      国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都)
    • 年月日
      2009-05-20

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公開日: 2012-07-19  

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