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2008 年度 実績報告書

3Rヘドロコンクリートの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 20686032
研究機関九州大学

研究代表者

笠間 清伸  九州大学, 工学研究院, 助教 (10315111)

キーワード固化処理 / 3R / 粘土 / リサイクル / 高強度 / 脱水 / 大型化 / ヘドロ
研究概要

本研究では, 「固化処理と高圧機械脱水を併用する高圧脱水固化」という新たな材料再生技術を提案し, コンクリートなどの構造材料の強度に匹敵する高強度な固化処理土を作製するための基礎技術の開発を行ってきた. これまでに, 浚渫土砂内の重金属・環境ホルモンなどの有害物質を吸着不溶化し, 湿潤・水中条件で長期的に平均20MPaの一軸圧縮強度を有する供試体が得られている(固化材添加率20%, 脱水圧力20MPa). この基礎技術を応用して, 浚渫土砂を大型の構造ブロックとして高度に再利用できる実用化技術へと展開するためには, 低脱水圧力での高強度発現を実現する必要がある. 今年度は, 脱水圧力5MPaにおける高強度化を実現するために, 砂分混合した浚渫粘土を対象に一軸圧縮試験を行い, 粒度調整による強度特性と脱水特性を評価した. また, 得られた一軸圧縮強度と試料の物理特性および固化材混合条件等を変数とした主成分分析を行い, 高強度化に影響する要因について検討を行った.
本研究で得られた結果は以下の通りである.
(1)砂分混合率を増加させると, 脱水時間は短縮され, 砂分混合率100%では脱水時間は半分以下となる.
(2)固化材添加率20%では, 砂分を混合することで強度の増加が期待でき, 砂分混合率40%でその効果は最大となる.
(3)砂分混合により強度改善がみられなかった理由として, 砂分混合した粘性土を機械脱水すると, 砂分の土粒子骨格が脱水圧力を受け持つため, 粘土成分の脱水が進まないためだと考えられる.
(4)脱水固化処理土の一軸圧縮強度は, 脱水圧力, 固化材添加率や砂分混合率によらず水セメント重量比に大きく影響を受ける. よって, 水セメント重量比を小さくすることが高強度化のポイントである.
(5)主成分分析の結果を用いて, 粘土分含有率, 乾燥密度, 水セメント重量比の三つの指標を用いて, 脱水固化処理土の一軸圧縮強度を推定するための重回帰式を提案した.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 固化処理工法を用いたケーソン式岸壁の動的変形抑制に関する振動台実験2008

    • 著者名/発表者名
      笠間清伸, 善功企, 陳光斉
    • 雑誌名

      海洋開発論文集 第24巻

      ページ: 225-230

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 確率数値限界解析を用いた粘性土地盤の支持力特性2008

    • 著者名/発表者名
      笠間清伸, 善功企, Andrew J. Whittle
    • 雑誌名

      応用力学論文集 第11巻

      ページ: 291-298

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 強度の不均質性を考慮した固化処理地盤の支持力に関する信頼性解析2008

    • 著者名/発表者名
      笠間清伸, 善功企, 陳光斉
    • 雑誌名

      第8回地盤改良シンポジウム論文集

      ページ: 219-224

    • 査読あり
  • [学会発表] 砂分混合した固化処理土の脱水特性と一軸圧縮強度特性2009

    • 著者名/発表者名
      佐野将輝
    • 学会等名
      土木学会西部支部研究発表会
    • 発表場所
      九州大学伊都キャンパス
    • 年月日
      2009-03-06

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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