• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2010 年度 実績報告書

鉄筋コンクリート部材の曲げ降伏前における履歴性状と減衰のメカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 20686037
研究機関東京工業大学

研究代表者

日比野 陽  東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (50456703)

キーワード鉄筋コンクリート / 曲げ降伏 / 復元力特性 / 履歴減衰 / 付着
研究概要

本研究では,鉄筋コンクリート部材の塑性化に伴う付着劣化が履歴性状に与える影響を明らかにすることを目的として,6体の鉄筋コンクリート梁試験体の静的載荷実験を行った。試験体の柱寸法は250mm×350mmとし,パラメータは付着割裂破壊が生じる時の付着強度である付着信頼強度τ_<bu>%設計用付着応力度τ_<f>比(付着余裕度)およびコンクリート圧縮強度(25N/mm^2と50N/mm^2),主筋の定着の長さとした。付着余裕度は鉄筋本数により変化させたが,鉄筋比は全試験体で同一となるようにして,曲げ降伏先行するように設計した。1体のみ主筋の定着長さを規準の半分(15d)として製作した。載荷は水平変形角による制御とし,付着劣化の比較を詳細に行うため,所定の変形角で3回ずつ繰り返した。実験の結果,全ての試験体で,最終変形時までに梁主筋が降伏する曲げ降伏型の破壊性状を示したが,終局時の破壊性状は付着余裕度によって異なる性状を示した。付着割裂強度が小さい試験体では,終局時に付着割裂破壊を生じたが,その他の試験体では曲げ破壊を生じて終局に至った。曲げ降伏した試験体におけるひび割れ性状の差異は確認できなかった。曲げ降伏前の履歴性状において,試験体間に明確な差異は見られなかったが,曲げ降伏後の除荷時の履歴曲線は付着余裕度の大きい試験体で付着強度の減少に伴うスリップ型の形状を示した。部材のエネルギー消費率を表す等価減衰定数は,いずれの試験体においても,繰り返しの回数が増えるほど減少した。付着余裕度が大きな試験体ほど等価減衰定数は大きく,部材の履歴性状と付着余裕度には相関性が認められ,付着劣化が履歴減衰に及ぼす影響を定量的に評価できる可能性を示した。なお,規準の半分にした主筋の定着長が履歴性状に及ぼす影響は確認できなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Flexural behavior of belled pile with high strength longitudinal reinforcewent2011

    • 著者名/発表者名
      Yo Hibino, Yasuji Shinohara, Shizuo Hayashi
    • 雑誌名

      Proceedings of 8th International conference on urban earthquake engineering

      巻: (CD-ROM)

  • [雑誌論文] 高強度鉄筋を主筋に用いた場所打ち杭の曲げ性状に関する研究2010

    • 著者名/発表者名
      日比野陽, 堺勤, 篠原保二, 林靜雄
    • 雑誌名

      コンクリート工学年次論文集

      巻: 32 ページ: 853-858

    • 査読あり
  • [学会発表] 曲げ降伏型鉄筋コンクリート造梁部材の繰り返し載荷における履歴減衰2010

    • 著者名/発表者名
      中谷好志
    • 学会等名
      日本建築学会大会学術講演会
    • 発表場所
      富山大学
    • 年月日
      2010-09-11

URL: 

公開日: 2012-07-19  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi