研究概要 |
磁性金属(Fe,Co)金属内包カーボンナノカプセルならびにFe-Pt-Cナノコンポジットの作製 Fe-Pt合金のアノード電極を用いて、Fe-Pt内包カーボンナノカプセルを作製した。TEMならびにSEMで形態評価、XRDで結晶構造解析を行い、詳細に試料の構造解析を行った。試料振動型磁力計VSMで磁性も評価し、さらに、前年度に確立したカーボンナノカプセルの精製・分粒方法でFe-Ptカーボンナノカプセルの精製・分粒を行った。 DDS磁性キャリアならびにMRI磁気造影剤に向けたカーボンナノカプセルの表面改質 カーボンは高分子との親和性が非常に良いことから、生体適合性ポリマー(ポリエチレングリコールPEG)で簡単にコーティングすることができる。PEGを溶解した水溶液中に、精製・分粒後のFe_3CまたはFe金属内包のカーボンナノカプセルを分散させる方法でコーティングを行った。TEMならびにSEMでの形態評価、FT-IRでの表面構造解析の後、実用化に向けた検討を行った。 Fe金属内包カーボンナノカプセルを触媒としたナノグラファイト構造の導入 アモルファスカーボンを除去していないFe_3C内包カーボンナノカプセル試料を還元雰囲気中(Ar-3vol%H_2)で熱処理した(900℃)。内包Fe_3C粒子がFe金属に分解すると同時に触媒として働き、アモルファスカーボンが電極材料等への応用が期待できるナノグラファイト構造に変換した。 グラファイトナノシートの作製ならびに生成機構の解明 前年度にFe-Pt合金のアノード合金を用いた実験で、カーボンナノカプセルを分離した後の試料中にグラフェンの前駆体ならびに電極材料等に応用が期待されるグラファイトナノシートの生成が確認された。本年度は分離精製したグラファイトナノシートの結晶構造解析をTEMならびにSEM、XRD、ラマン分光、AFMを用いて行い、さらに生成したグラファイトナノシートの膜厚や面積、導電性を明らかにした。
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