研究概要 |
わが国の再突入機の開発に供することのできる基礎技術の確立を目指し, 以下の研究を実施した. 1. 機体製作超小型再突入機の設計を行った. 全長約40cmのリフティングボディー形状を採用し, 設計した機体構造の製作を外注することでCFRP製の飛行可能な実験機の製作を行った. 2. アビオニクス製作自律飛行を実現するための飛行制御用コンピュータとセンサー式を製作した. そのため研究代表者が先行研究で開発した汎用制御基板を利用し, 小型軽量な無人航空機用アビオニクスシステムを完成させた. このシステムにはユーザーが製作したプログラムが簡単に実装できるため, 様々な学術目的の飛行試験が簡単に実施できる. 3. 飛行制御器の設計風洞試験などで決定した機体ダイナミクスをもとに, 自律飛行を実現する航法・誘導・制御系のプログラムを製作した. 決定した機体ダイナミクスに誤差が存在する場合でも安定であり外乱の影響も小さいロバスト制御理論を採用することで, 小型無人機に適した飛行制御系を構築することに成功した. 4. 外乱推定装置の開発機体に実装したセンサ出力から, 機体に加わった外乱を推定する装置の理論的な研究を行った。 5. 飛行試験による実証北海道大樹町の多目的航空公園において開発した機体の飛行試験を行った. そのためバルーンとウインチを利用したランチ装置を開発し, 滑空型無人機の飛行試験技術を確立した. 飛行試験結果に対して開発した外乱推定装置を適用し, 実環境でも機体に加わった外乱を推定可能であることを確認した.
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