研究概要 |
近年,地球温暖化の影響で,クロマグロの産卵海域の水温は今後50年で3℃程度上昇することが予想されているほか,降水量の増加による表層の塩分濃度が低下,流況の変化,CO_2増加による海水のPh値の上昇などが懸念されている.本研究ではとくに(1)水温上昇が本種仔魚の成長・生残にどのような影響を及ぼすのかについて飼育実験により検討し,(2)観測などにより,現在の本種の分布環境の海洋構造の詳細を明らかにしながら,海洋環境データの解析により過去50年での海洋構造の地球温暖化の影響の過程を明確にする,さらには(3)今後50年から100年後の本種の主産卵場である沖縄諸島東方海域から生育海域である日本沿岸域への輸送過程をシミュレーションすることで,地球温暖化による産卵可能海域の分布や面積規模に及ぼす影響について定量的に予測することで,温暖化対策への施策のための提言を行う.
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