研究概要 |
地球温暖化による産卵可能海域の分布や面積規模に及ぼす影響について定量的に予測するために,クロマグロ卵仔魚の飼育実験,行動計測による本種の行動生理の近縁熱帯種との比較, 50-100年後の本種の産卵海域から日本沿岸の成育海域への輸送過程の数値実験を行った.その結果,飼育実験から仔魚が高成長・高生残をもたらす水温は26付近ときわめて限られた温度域であること,行動計測より本種は体熱を環境へ放出する能力が低いため,今後の海水温上昇は本種分布に影響を及ぼしうること,数値実験より2100年の産卵海域から日本沿岸への本種仔魚の到達率は現在の36%程度に低下することが示唆された.
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