研究課題
オートファジーは、ダイナミックな膜形成(オートファゴソーム形成)を伴う真核生物に保存されたタンパク質分解システムである。酵母などの下等単細胞生物においては、オートファジーは飢餓に応答した自己タンパク質分解を介したアミノ酸供給による生存戦略が唯一の働きと考えられてきた。一方、申請者らは様々な臓器特異的オートファジー不能マウスを作製・解析し、オートファジー不全が神経変性疾患、糖尿病や肝炎などの重篤な表現系を示すことを明らかにしてきた。さらに、これら病態発症に関わる分子としてオートファジーにて選択的に分解されるp62の同定に成功した。つまり、オートファジーによるp62の代謝不全が病態発症(肝障害)の主因であることを見出した。本年度は、構造学的解析によりオートファジーによるp62代謝の分子メカニズムを明らかにした。すなわち、p62のDDDWXXL配列(LRSと命名)とオートファゴソーム局在分子LC3の2つの疎水性ポケットとの相互作用をLC3-p62共結晶構造解析より見出した。また、p62と同様に、LC3と相互作用し且つオートファジーによりその存在量が規定される分子Nbr1の同定に成功した。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (6件) 備考 (2件)
Mol. Cell 33
ページ: 505-516
Methods Enzymol. 452
ページ: 215-226
Mol. Biol. Cell 19
ページ: 4762-4775
Nature 456
ページ: 264-268
Cell Metab. 4
ページ: 318-324
ページ: 325-332
J. Biol. Chem. 283
ページ: 22847-22857
http://www.rinshoken.or.jp/MO/portfolio/pg126.html
http://www.metabolism.jst.go.jp/2ki/komatsu.html