研究概要 |
敗血症は全身性の炎症性疾患であり,法医実務においてしばしば遭遇する死因の一つである.しかしながら,法医剖検例において,正確且つ客観的な敗血症の法医診断法は確立されていない.実務応用可能な敗血症の診断法を確立するためには,敗血症の病態生理の解明が必要不可欠である.特に,敗血症では組織・臓器の障害は多岐にわたり複雑であるため,局所性及び全身性の生活反応を包括的に検索することが重要である.そこで本研究では,近年,基礎並びに臨床応用の両面で盛んに研究が行われている炎症性生理活性物質であるケモカイン及びケモカインレセプターに着目し,敗血症の病態形成における種々のケモカイン・ケモカインレセプターの動態を検索し,これらの発現動態が,法医実務において敗血症診断のための有用な指標となるか否かを検討し,敗血症の新たな法医診断法を確立することを目的とする.
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