研究代表者は九州大学先端医工学診療部、および九州大学レドックス・・ナビ研究拠点と連携し耳科手術に使用可能な機器を揃えナビゲーション手術に必要なコンピュータ環境を整備した。研究初年度(昨年度)は考案中のナビゲーション手術精度向上のアイデアが成功し2本の原著論文として発表した。本年度は以下のように大きく2つの研究成果をあげそれぞれ英文論文として投稿中または投稿準備中である。 1. 研究代表者は耳科手術中のナビゲーション画面をその場だけのものにせず、ドリルによる手術操作を記憶するシステムとして発展させた。初年度はこの技術を用い手術中にどこまで側頭骨を削ったかが疑似画面上で作成できる疑似CT技術として英文論文を発表した。本年度はこの技術を側頭骨手術の技術評価としてもちいるための解析を行った。また、本技術をロボットによる手術に応用できる可能性も検討しており、試作ロボットによる模擬手術で基礎的な精度を確認した。成果は英文論文として執筆中である。 2. 研究代表者は耳科ナビゲーション手術の位置合わせを低侵襲的に行う手法を考案し本研究の主要テーマとしていた。初年度はこの技術を完成させ側頭骨浅部の実手術に使えるレベルにまで発展させ、英文論文を発表した。本年度はより深部の手術でも誤差を減らすための手法を考案し、模擬手術を繰り返して精度向上に効果があることを確認した。成果は英文論文として投稿中である。
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