研究課題
近年我々は、角膜上皮、実質、内皮細胞よりスフェアー法により老化した細胞を除去し、non-senescentな組織幹細胞を選択的に採取することに世界で初めて成功した。またスフェアー法により採取した角膜上幹細胞を用いた角膜上皮幹細胞シート、又は角膜内皮幹細胞塊を動物眼に移植することにより、角膜を透明にする治療に成功した。しかし、臨床的に角膜移植を必要とする患者は実質の混濁が生じている症例が大半を占めるため、角膜上皮や内皮のみならず、角膜実質の再生が必要となる。同様の方法により我々は、角膜実質より採取した組織幹細胞と人工実質を用いて、角膜実質を再生し、動物眼に移植することにより角膜透明性を維持することにも成功した。本研究では、角膜上皮・実質・内皮の各層より得られた幹細胞を用いて作成した各シートを組み合わせることにより、ドナー角膜に匹敵する幹細胞を用いた人工角膜を開発することを第一の目標とし、幹細胞主体の再生角膜を臨床応用することにより慢性的なドナー角膜不足を解消することを最終目的とする。本年度は角膜上皮・実質・内皮の各層より組織細胞を選択的に採取した。採取した組織幹細胞を用いて、上皮、実質、内皮幹細胞シートを作成した。再構築した各層の再構築角膜の透明性ならびに強度性、上皮層のバリアー機能、実質層の細胞外基質の産生能、内皮層のポンプ機能について評価を行った。その結果、いずれの再生シートも透明性を維持し、内皮のシートはヒト角膜の約80%以上の電位差を有した。実質の組織幹細胞をゼラチン内で培養すると、通常の培養実質細胞と比較して、細胞基質の産生能が高かった。また、再生実質シート内には、幹細胞により再生したシートは培養細胞を用いたものと比較して、Nestinなどの未分化マーカーの発言が高く、細胞増殖マーカーであるBrDUの取り込みが高かった。再構築角膜実質シート中に間葉系マーカー:Vimentin、αSMAの発現が免疫染色により確認できた。
すべて 2010 2009
すべて 雑誌論文 (26件) (うち査読あり 26件) 学会発表 (14件)
Ophthalmologica 224
ページ: 90-95
ページ: 133-137
Eur J Ophthalmol 20
ページ: 402-409
Cornea 29
ページ: 321-330
Br J Ophthalmol 94
ページ: 261-262
Arch Ophthalmol. 128
ページ: 258-259
ページ: 528-530
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol. 23(in press)
ページ: 466-471
BMC Ophthalmol 10
ページ: 11
Eye(Loud) 23
ページ: 63-66
Am J Ophthalmol. 147
ページ: 171-177
Ophthalmology 116
ページ: 73-79
ページ: 87-93
Br J Ophthalmol. 93
ページ: 554-556
ページ: 630-633
Am J Ophthalmol. 148
ページ: 20-25
Acta Ophthalmologica 26(in press)
J Vasc Res. 46
ページ: 541-550
ページ: 1880-1886
Clin Experiment Ophthalmol 37
ページ: 670-677
Eye Contact Lens. 35
ページ: 345-347
Arch Ophthalmol 127
ページ: 1321-1326
Tissue Eng Part C Methods 23(in press)
Med Case Reports 3
ページ: 3
Graefes Arch Clin Exp Ophthalmol 248
ページ: 443-445