研究課題
若手研究(A)
細胞周期チェックポイントの異常や細胞分裂の異常は、癌化の引き金になると考えられており、なかでも細胞分裂制御のキー分子として機能しているタンパク質の多くが、APC/Cユビキチンリガーゼ複合体により、タンパク量が調節されていることが知られている。Emi1は、APC/Cの活性を阻害する因子で、S期からM期初期にかけて発現が誘導され、APC/Cの活性を抑制している。本研究では、APC/Cの活性を抑制するEmi1が癌細胞株や頭頸部癌症例で、高頻度に強い発現を示すことを見出した。さらに、Emi1の分解異常により、恒常的にEmi1を発現する癌細胞株を見つけ、その細胞がERK-RSK経路によりEmi1のSer310およびThr315がリン酸化され、そのリン酸化がユビキチン分解を阻害することを見出した。Emi1の恒常的な発現は、細胞周期を通じてAPC/Cの活性を抑制し、その基質タンパクの過剰発現を引き起こしていた。以上の結果から、Emi1の分解異常による過剰発現が、恒常的なAPC/C 活性の抑制をひきおこし、細胞周期制御異常や癌化に関連することが明らかとなった。
すべて 2011 2010 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (23件)
J Cell Biol 93
ページ: 409-424
Mol Cell Biol Corresponding author 31
ページ: 783-792
J Oral Pathol Med Corresponding author 40
ページ: 77-82
Histology and Histopathology Corresponding author 26
ページ: 147-156
Oral Oncol Corresponding author 46
ページ: 263-270
J Oral Biosci Corresponding author 52
ページ: 388-401
Mol Carcinogen 48
ページ: 810-820
PLoS ONE Corresponding author 4
ページ: e5892
J Cell Sci in press
