研究概要 |
本度は、前年度に引き続き、再構成メッシュのうち基本ネットワークトポロジが行・列方向のみに制限された3つのサブモデルMSB(mesh with separable buses), MMPB(mesh with multiple partitioned buses), MPB(mesh with partitioned buses)をベースに相互模倣アルゴリズムを研究し、前年度の結果を改善することができた。 これまでに得られていた知見としては、1.特殊な仮定を用いればMSBの任意の1ステップをMPBで0(log n)ステップで模倣可能、2.特殊な仮定を用いなければMSBの任意の1ステップをMPBで0(log^2 n)ステップで模倣可能、というものであった。2.は前年度に得られた結果である。このように、特殊な仮定を用いない場合0(log n)ステップという余分なコストが、模倣に必要であった。本年度の研究では、特殊な仮定を用いなくとも、MSBの任意の1ステップをMPBで0(log n)ステップで模倣可能であることを示した。本模倣アルゴリズムのポイントは、模倣ステップをパイプライン化することによって、全体コストをおさえるというものである。改良前のアルゴズムのコストが0(log^2 n)であることを考えると、そのコストから0((log n)の余分なコストを削減できたことの意義は大きい。また、特殊な仮定が不用になった点も重要である。 なお、本結果についての最適性は未だ示されていないため、最適性についての研究の余地が残っている。
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