研究課題
ソフトウェアの開発効率をいかに上げ、同時にいかに信頼性を高めるかは学術的に大きなチャレンジであるだけでなく、社会的要請から見ても非常に重要な問題である。本研究は、この問題に対してプログラミング言語の立場からアプローチし、平成20年度においては再利用性・拡張性・スケーラビリティのための型付計算体系の構築を行った。具体的には、既存の主要なプログラミング言語であるJavaの核となる計算体系Featherweight Javaの上に、本研究で提案したLightweight Dependent Classesと呼ばれる、再利用性・拡張性・スケーラビリティのための言語機構を導入し、核言語レベルでの型健全性を証明した。これは、相互参照しているクラス群を、Javaのような言語における継承の機構では安全に拡張することができない問題を解決したものであるが、クラス群の個々のクラスを抽象化することによって再利用性が向上することや、簡潔で分かりやすい計算体系になっていることなどの特徴がある。本研究は、Javaの上にこの言語機構を実装する上で重要な理論的基礎を与えるものであり、次年度で計画されている言語実装のための堅牢な基盤となるものである。
すべて 2008
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Proceedings of the 10th Workshop on Formal Techniques for Java-like Programs (FTfJP 2008)
ページ: 63-76
Proceedings of the 7th ACM International Conference on Generative Programming an Components Engineering (GPCE'08)
ページ: 113-124