本年度は、大規模なコードクローン分析を行うことを目的とした研究課題に対して取り組み、以下のような結果を得た。 ソフトウェアの保守性を悪化させる問題の1つとして、コードクローンの存在があげられるが、近年の研究では、すべてのコードクローンが不適切なものではないことがわかっており、そのため、適切にコードクローンを管理することによって、問題のあるコードクローンを発見することが重要であるとぎれている。しかしながら、問題を抱えでいるコードクローンをソースコードのみから発見することは困難であった。 そこで、コードクローン分析と同時に、そのコードクローンを作成した開発者の情報を収集することによって、各開発者がどのようにコードクローンを作成、あるいは解消しているか、分析するための手法を提案し、オープンソースソフトウェアPostgreSQLのソフトウェア開発を対象として実際に分析を行った。その結果、開発者の中には、有意にコードクローン数を増やす、あるいは減らす者がいることを、Kruskal-Wallis検定を用いて定量的に示すことができた。
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