研究概要 |
本研究の最終目標は、世界中で起こっているソフトウェアの盗用を発見する手法の手順化である。手順化することで誰もが簡単に盗用を発見することができるようになり、盗用の抑止力を高められることとなる。そのための手段としてソフトウェアバースマーク技術に着目している。ソフトウェアバースマークとは、ソフトウェアの特徴のことを指す。個々のソフトウェアから、実行に不可欠な情報をソフトウェアの特徴として抽出し、抽出した情報(バースマーク)同士を比較することで、ソフトウェアの類似性を計測するものである。 本年度はバースマークの攻撃に対する耐性を調査した。この調査はバースマークが特定の攻撃に弱いことを明らかにし、また、攻撃方法を特定できれば、そのバースマークを使用しないようにできるためである。そこで,プログラムの攻撃方法として難読化手法を調査した。難読化とは本来はプログラム読みにくく変換することで、クラックから防止するための手法である。しかし、プログラムを改変することから、バースマークへの攻撃ととらえることもできる。その難読化手法について調査し、ツールとして実装した(研究実施計画の(3)に相当)。このツールを使ってプログラムを攻撃し、攻撃前と後でバースマークがどのように変化するかを調べられるようになる。 また、初学者のプログラムの特徴を分析するため、コンパイルエラーを自動収集するシステムを前年度に構築した。そのシステムを使い、初学者に簡単なプログラムを作成してもらい、多くのエラーが収集できた。
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