XML処理に関する諸階層間のインピーダンスミスマッチを解消すべく提案されているXQueryなどの関数型プログラミングスタイルを持つデータベースプログラミング言語では、複数の変換の合成の形で処理が記述されることが多く、圏論を援用した融合変換技術の適用が期待される。 本年度は、昨年度に関連性を調査したグラフ上のstructural recursionに関する既存研究について、Peter Buneman等のものの他、Edward Robertson等のもの、またparamorphismの融合規則についても調査した。 データベース分野者との議論についても、国内および海外出張先で行った。 圏論分野の研究者によれば、プログラミング分野としては、融合変換自体での最適化効果は(order自体が変わらないため)元来それ程大きくないとされているとのことである。また、関連するXQueryの融合変換に関する共同研究の中で、staticストアとdynamicストアとのシミュレーションの関係に基づくノードIDを保持する融合変換における変換前後の等価性の証明のスケッチも行った。ノードIDの保持と融合変換の両立は、特に変換規則を合成可能にする点で挑戦的である。 参画しているグラフ双方向変換に関する言語的基盤構築に関するプロジェクトでは、融合変換の機会となる(モデル変換の連なりとしての)グラフの変換での具体的な応用例に触れることができた。
|