研究概要 |
複数の連携相手が含はれるサービス合成では、実行前に個々の契約や様々な制約の間の整合性を保証するよう契約の選択方針を定める必要がある.また実行時には,サービスの選択・束縛や合成実行の機構と契約管理機構を適宜連携させる必要がある.本研究では,サービス合成における整合性ある契約管理処理の方針設定・実行を容易とする枠組みの研究開発を行っている.具体的には第一に,サービス合成者の立場において複数契約間の整合性を検証したり実現したりすることを支援する形式的理論基盤とツールを構築する.第二に,開発者がサービスの選択・束縛や合成実行を設定することを容易とする実行記述言語およびその実行基盤を提供する.ここでは,サービスの選択・束縛や合成実行に関する動作を契約管理機構と連携させることにより,管理サイクル上の要求・制約を満たす形でサービス合成を実現できるようにする.以上の仕組みを統合してフレームワークとして提供することにより,開発者がより容易に,契約に基づき整合性ある契約に関する振る舞いを記述,設定できるようなフレームワークとして提供する.これまでの成果として,複数の契約やそれに対する複数の契約やそれに対する制約の整合性について,形式モデル上で推論し,検証を行ったり整合性を得るための追加の制約を導いたりするための作業を支援するための理論基盤が得られている.平成21年度においてはこれに対し,そういった作業を含めた連携相手及び契約の管理動作を適宜織り込んで起動するような,サービス合成プロセスと管理ポリシー記述,またその実行基盤の構築を行った.
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