研究概要 |
車載用途での高精度な歩行者認識の実現には,車載に適した歩行者認識アルゴリズムの実現およびその組込みシステムでの実現方式が不可欠であり,本研究でけこれらの課題に取り組んでいる.本研究では,歩行者認識を画像中から歩行者を発見する検出処理と,一度発見された歩行者を複数のフレームにわたって対応付ける追跡処理を組み合わせることによって精度を向上させる方針を取っており,認識精度の向上にはこれらの処理の精度向上が不可欠である.検出処理に関しては前年度に研究を行ったので,本年度においては追跡処理の精度向上および組込みシステムへの実装方式に関する研究を行った.本年度の主たる研究成果はパーティクルフィルタを用いた追跡手法において,HOG(Histograms Of Orientedgradients)特徴とHSVカラーヒストグラムという性質の異なる複数の特徴を組み合わせることによって尤度の計測を行い,これによって追跡精度を大幅に向上させ,単一の特徴抽出手法のみでは困難であった複雑なシーンにおいても実用的な精度で追跡を可能としたことである.また,組込みシステムへの実装方式を検討するにあたり,GPGPUを用いた並列実装を行い,実時間処理が可能であることを示した.この研究に関連する成果およびこの研究を進めるに当たって付随的に得られた成果は国内会議,国際会議,論文誌等での発表を行っている.また,昨年度に引き続き検出に関する研究も並行して行っており,CoHOGを用いた歩行者検出のFPGAを用いた実時間実装に関する発表が2009 DSPS Educators Conference IEEE CAS Japan Chapter Best Student Demonstration Awardを受賞した.
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