研究課題
GPUクラスタを用いて大規模な計算資源を必要とする科学技術計算を行い、計算高速化に関する最適化を行うことを目的とする。主に、計算機合成ホログラム(CGH)とFDTD法による電磁界シミュレーションを扱う。GPUクラスタを用いたCGHのリアルタイム再生及びFDTD法等のリアルタイムシミュレーションについて検討する。本年度は、GPUクラスタシステムの構築、及び、1つのGPUによるCGHとFDTD法プログラムの最適化を行った。GPUによるFDTD法の電磁界シミュレーションは、メモリバンド幅がボトルネックとなることが確認された。GPU用FDTD法のプログラムは複雑であるため、単純な数値計算として定常熱伝導方程式を用いて最適化手法を検討した。空間領域の分割を工夫し、GPU上の共有メモリをキャッシュとして用いる独自のアルゴリズムを考案し、CPU(Intel Core2Duo 3.0GHz)に比べ約20倍の計算高速化がなされた。この方法をFDTD法に適用し、さらに計算高速化がなされるように改良した独自のアルゴリズムを考案した。その結果、GPUを用いたFDTD法の電磁界シミュレーションは、CPU(Intel Core2Duo E8400)に比べ、約20倍計算高速化を実現した。CGHの計算においては、広く利用されているフレネル近似式を用い計算高速化を行った。1つのGPUによる計算高速化においてループアンローリングが有効であり、さらに独自のGPUのスレッドブロックの割り当て方を考案した。その結果、解像度1,400×1,050、物体点数1024点においてCPU(Intel Core2Duo 3.0GHz)に比べ、1000倍以上の計算高速化がなされ、リアルタイム再生が可能であることが確認された。
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Applied Computational Electromagnetics Society Journal VOl.23, No.4
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電子情報通信学会論文誌 VOl.J91-D, No.10
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第7回情報科学技術フォーラム講演論文集 第1分册
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