この研究計画の全体の目標は、ワイヤレスセンサーネットワーク(WSN)分野の技術的な進歩およびWSNの商業化と広範囲の応用に貢献できる解決策を見いだすことである。このプロジェクトを達成させるために、2008年度において我々は、提案した研究方法・計画案に従い、以下の課題について包括的に研究した。(1)分散定位アルゴリズムの研究(2)WSNのための確実かつ安全なデータ転送の設計(3)効率的なデータ処理のため状況認識スキームの開発、の3つである。そして、それぞれの課題に取り組む中で重要な研究成果を得られたので、以下にその概要を記す。まず、第一の課題を解決するために、分散定位・ターゲット追跡アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムによって、特にエネルギー消費とコミュニケーションオーバーヘッドに関して生能が最適化される。次に、第二の課題を解決するため、階層的WSNにおける安全通信のための主要な分散プロトコル群を開発した。特筆すべきは、我々のソリューションは軽量で、再利用可能なセンサーデバイスを含むネットワークへ応用できることである。最後に第三の課題について、パーベイシブな環境下におけるモバイルデータ処理のための状況認識管理スキームを開発した。研究成果の一部は論文として著名な雑誌や国際会議へ投稿し、採択されている。
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