研究課題
P2Pネットワークは利便性・匿名性に優れたコンピュータネットワークであるが、通信の信頼性に乏しいという問題がある。そこで、本研究では、サーバを必要としない分散型認証手法を研究することにより、利便性・匿名性・スケーラビリティに優れたセキュアなP2Pネットワークの実現を目指す。平成21年度までに、サーバなどの永続的な通信ノードを必要としない分散型認証手法HDAM (Hash-based Distributed Authentication Method)の基礎を確立し、ユビキタス環境における認証プラットフォームである分散型公開鍵認証基盤HDPKI (Hash-based Distributed Public Key Infrastructure)の設計と、HDPKIの性能評価を行った。平成22年度は、平成21年度までの成果に基づき、HDPKIの性能及び安全性の評価を行った。特に、複数経路を介した安全な認証方法の再設計・再評価を行い、悪意のある利用者が含まれる環境においても高い認証成功率を維持できることを検証した。平成22年度までの研究開発を通じて、安全なP2Pネットワークを利用した新たなユビキタスサービス「Socio-familiar Personalizedサービス」の着想を得た。この新たなユビキタスサービスについては、平成23年度より学術論文等を通じて発表する予定である。また、HDPKIの開発を通じて、既存の構造型P2Pネットワークの問題点を解析し、その解決法を発見した。この知見を反映させた新たな構造型P2Pネットワーク「Waon」の設計を行い、その基礎理論を第18回マルチメディア通信と分散処理ワークショップにおいて発表した(秀論文賞を受賞)。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)
Proceeding of the 25th International Conference on Advanced Information Networking and Applications-Workshops (AINAW2011)
ページ: 108-113
Proceedings of the 4th International Conference on Complex, Intelligent Computing and Information Systems (CISIS2010)
ページ: 376-383