研究概要 |
本研究の目的は,情報の偏りを補正し,詳しくかうバランスよく情報を提供するシステム"情報栄養士"を実現するための基盤技術の確立である.そのため,平成21年度では,前年度の研究成果を踏まえて,情報の偏りを検知するための技術および情報の体系化・知識化技術にういて以下のような研究開発を行った. (1) ステークホルダーマイニングとそれに基づくコンテンツ比較手法の研究開発偏りが利害関係から生じることが多いことに着目して,コンテンツにおけるエンティティ(人物,組織地域,etc.)に関する記述を分析し,ステークホルダーの記述の有無,ステークホルダーに対する記述の極性,および,ステークホルダー間の関係の記述極性を抽出して,その比較による偏りの発見を試みた.映像ニュースと,テキストニュースを対象に実験を行い,提案手法の有効性を確認した. (2) 事象間の関係を分析するために,ニュース記事から事象の因果関係を抽出して,因果関係ネットワークを時系列に増分構築して体系化を試みた.提案手法は,従来手法と比べて,因果関係ネットワークの構築効率を向上したことと,構築するネットワークの一貫性を保証できることといった有効性について確認を行った. 以上について,国際会議論文5本(査読付き),国内会議論文(査読付き)1本と国内研究会論文3本の成果をあげた.また,その成果が国際会議にて高く評価され,国際論文誌の推薦を受けて,現在投稿中である.
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