研究概要 |
本研究は、個人が管理する電子メールデジタルカメラで影した写真等の人コンテンツを対とした効果的な検索手法を開発することを目標としている。そのために、個人コンテンツが個人の経験と密接に関連していることに注目し、個人コンテンツを個人経験の表現として捉え、検索キーワードに関連する経験表現の適切さという観点から検索結果をランキングする手法を開発する。本年度は、個人コンテンツ間に存在する暗黙的なリンクを発見し, コンテンツ間のリンク構造を利用して個人コンテンツをランキングする全体のフレームワークを設計した。このフレームワークでは、一般のWebページのランキングに利用されているPage Rankアルゴリズムの考え方をベースに、明示的なリンク構造を持たない個人コンテンツのランキングを行う。本フレームワークでは、個人コンテンツに含まれる5W1H表現を経験を表す基礎となる情報としてとらえ、同一の経験要素表現を含むコンテンツ間に暗黙リンクを設定する。そして、設定された暗黙的リンクに基づいて、重みを伝搬させることによりランキングを設定する。次に、本フレームワークを複数の具体的な例題に対して適用する予備実験を行い、本フレームワークによって導出されるランク付けの有効性についての検証を行った。次に、暗黙的リンクを設定するために必要な経験表現を自動的に抽出する手法を開発した。本年度は電子メールに対象を限定し、そこに出現する人物表現、時間表現、場所表現を抽出する手法を開発した。本手法では、電子メールの参照構造を利用して、不完全な表現を保管可能である。これらの表現抽出手法に関しても、複数の例題を用いて有効性の検証を行った。さらに、本研究で対象とする個人コンテンツの検索は、携帯電話を代表とする携帯端末上での利用要求が多く存在する。そこで、個人コンテンツを携帯端末上で効果的に閲覧するためのインターフェースに関する研究を行った。
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