| 研究概要 |
本年度は, マルチメディア文書に対応した高度な検索を行うための手法として, ある問合せとなるメディアに類似したメディアを検索する手法を提案し, 実際に構築を行った. ここで, メディアの一部が類似していることに着目している従来の類似検索とは異なり, メディア全体の傾向に着目した類似検索手法の提案を行っている. 本年度の目標は, 一つの考え方で複数のメディアに対応する手法を開発することであると考え, まず一つのメディアから対する様々な特徴を抽出し, その統合を行うことである. 音楽, 画像に対して同一の手法により複数の検索結果集合を統合した結果, 提案手法は有効であることを, 研究代表者によつて作成したテストコレクションを利用した実証実験によって確かめることができた. ここで, 音楽や画像から特徴を抽出する際に, テキスト検索を行う際に利用されるベクトル検索モデルを利用することが可能であると考えた. ところが, 研究を行う上で発生した新たな問題点として, テキスト検索における単語が音楽や画像において何と対応するかについて解決する必要が発生した. そのため, 検索対象メディアに共通して含まれる部分を単語として抽出する手法を提案した. その結果, 十分実用性があると判断できる精度でマルチメディア文書の検索を行うことが可能となった. 音楽情報処理に関する国際会議において研究発表を行った結果, 今後のマルチメディア検索システムにおいて本提案が非常に重要な課題であることを確認できた.
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