産業技術総合研究所で実施されているGEO Gridプロジェクトにおいて保持しているASTERセンサ画像の効率的な検索インタフェースの構築を行った。本研究ではWikipediaと衛星画像メタデータという全く異なる二つのデータソースを利用し、災害前後の衛星画像を検索する手法を確立した。本研究成果の独創的な点はWikipediaという分野非依存の大規模知識データベースを元に、そこから「災害」に関する情報を抽出する手法を元に、百テラバイト級の衛星画像データベースから効率よく目的の画像、このアプリケーションにおいては災害前後の衛星画像を検索する手法を提案した点にある。 Wikipediaには様々分野のデータが蓄積されており、災害以外にも様々な分野に適応可能であると考えられる。本研究をさらに発展させる事により、膨大なデータ量の衛星画像から目的の画像を効率よく検索する為の基盤技術を構築する事ができる。 また本研究の有用性は、膨大でかつ、文字・画像・センシングデータといった様々なスキーマのデータを扱うにも関わらず、利用者はインターネットにつながったWebブラウザさえあれば、世界のどこからでも簡単に利用できるシステムを構築した点にある。我々はAjaxやJSONといった最新のWeb技術を駆使してWebGISアプリケーションフレームワークを構築した。このWebGISフレームワークrinzo. maはオープンソースアプリケーションとして公開する準備を行っている。これは平成21年度中の公開を目指す。
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