研究概要 |
本研究の目的は, 使用者が機器操作を目的として意図的に行うこめかみの動作を機器制御信号として利用することで使用者が常時利用でき, 日常の生活に支障をきたすことなく、ハンズフリーで使用でき, 小型軽量安価で製造可能な、機器制御を意図した動き以外の会話や食事などの日常的な動作には反応しない, ウェアラブル型入力装置を開発である. 平成20年度は以下の問題点 1. こめかみの動きをセンシングするセンサが頭を揺らすことで揺れてしまう(装着器具の問題) 2. こめかみの動きのセンシングデータからこめかみの動きを正確に認識できていない(認識率約70%)を解決するため. 1. 装着器具の開発 : 日常生活(会話, 食事, 歩行などの動き)においてもこめかみの動きをセンシングすることができるセンサシステム(センサ装着器具)の開発 2. アルゴリズムの改良 : 高精度でこめかみの動き認識可能な認識アルゴリズムの開発を行った. 研究成果として 1. 頭部にしっかりとセンサを固定できる機構とてこの原理を応用することで機構的に測定値を増幅させる構造を有するため, センサの揺れを抑えることができかつ低ノイズの測定が可能なセンサ装着器具を開発した. 2. アルゴリズムについては, 奥歯の噛締めや瞬きによるこめかみの動きを検出するアルゴリズムを改良中であり, 80%(10%向上)程度に認識率を改善することができたが今後も継続して改良が必要である. 上記の成果以外にも本年度は, 本研究を福祉分野へ応用することができた. この本研究成果は, 障害で手足の不自由な方でも, 意識的に強い瞬きをするだけで様々な機器が操作できるものである.
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