研究概要 |
本研究の目的は,使用者が機器操作を目的として意図的に行うこめかみの動作を機器制御信号として利用することで使用者が常時利用でき,日常の生活に支障をきたすことなく、ハンズフリーで使用でき,小型軽量安価で製造可能な、機器制御を意図した動き以外の会話や食事などの日常的な動作には反応しにくい,ウェアラブル型入力装置を開発することである.これを実現するため以下の3点を当該研究期間内(平成20年度と平成21年度の2年間)での最低限の実施項目とする. 1.日常生活(会話,食事,歩行などの動き)においてもこめかみの動きをセンシングすることができるセンサシステム(センサ装着器具)の開発 2.高精度でこめかみの動き認識可能な認識アルゴリズムの開発 3.本研究成果を用いた社会的に有用なアプリケーションの開発 平成20年は,問題点である「こめかみの動きをセンシングするセンサが頭を揺らすことで揺れてしまう(装着器具の問題)」と「こめかみの動きのセンシングデータからこめかみの動きを正確に認識できていない(認識率約70%)」の2点を解決した.平成20年はさらに研究対象を拡張し,「外耳の動きを機器操作に利用するヒューマンマシンインタフェース(愛称:みみスイッチ)」の開発を行った.平成21年度は,前年度の研究結果をふまえながら,アプリケーションの開発を行った.アプリケーションとしては,ポータブルオーディオプレーヤ用のリモートコントローラを開発し,評価検討を行った.また現在出願中の特許「特願2009-024889」のPCT出願を行った.現在,民間企業と連携して実用化を目指している.
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