研究課題
図書館においては、特定のトピックごとに図書館が提供できる関連資料をリスト化したパスファインダーとよばれる情報資源をWeb上で公開する取り組みも盛んに行われるようになっているが、図書館員が人手をかけて構築する必要があるため、Web上に存在するオントロジーに比較すればごく一部のトピックをカバーしているにすぎない。さまざまな情報探索ニーズに対応できるようにするためには、コンピュータシステムに多様な情報資源を活用するための仕組みを持たせる必要がある。本年度は、人が情報探索を行う際に必要となる「情報要求の具体化」のプロセスを支援する対話型システムを実現することを目的とし、平成18〜19年度に行った科学研究費補助金若手研究(B)「Web上の情報資源と図書館情報資源を統合的に利用する情報探索支援システム」において得られた知見にもとづいて、多様な情報資源を活用する図書館ナビゲーションシステムを実装し、以下の成果を得た。1. Web分類体系と図書館分類体系の統合利用手法Wikipediaカテゴリと図書館分類体系を「主題」「探索事項」の2つの観点から結びつける手法について研究を行い、「神奈川県の経済」「アメリカの政治家」などの精密な分類を活用する手法を実装した。2. 図書館の現場における運用と意見収集国内の複数の大学図書館において本システムを実際に運用し、図書館員や一般利用者からの意見を収集した。3. テーマグラフ描画機能の実装上記の意見において要望の多かった「Wikipediaカテゴリと図書館分類体系の関係を示すテーマグラフの描画機能」を本システムに実装した。4. 実運用ログの収集本システムの各機能が利用者の情報探索においてどのように利用されているかを分析するため、ログデータの収集・分析を行った。5. Wikipedia軽量解析ツールの実装本システムのうち、Wikipediaカテゴリネットワークを解析する部分を独立したコンポーネントとして抽出し、Wikipedia軽量解析ツールとして一般に公開した。
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http://www.r.dl.itc.u-tokyo.acjp/~kiyota/
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