研究概要 |
本研究では, 時間経過とともに蓄積された情報を解析し, 記述されている内容の変化パターンを, 変化をもたず定常的なもの, ある時点でのみ使われるもの, 一時的だが繰り返されるものとしてそれぞれ抽出することと, これらを利用者の視点に応じて動的に再構成する仕組みの開発を行うことを目標としている. 本年度は主として, 個人の行動履歴、具体的には個人が持っている携帯電話に着目し, これを通して閲覧, 記述したコンテンツと位置の履歴を蓄積して解析対象とし, 個人が日常的な行動をとっているのか, 非日常的な行動をとっているのかを判別する仕組みの研究開発を行った. そのために, 研究代表者らがこれまでに進めてきた時系列文書からの主題抽出と同様の手法を用い, 蓄積された情報を複数の時点までの情報集合に分け, これらを複数の集合に分類し, 類似した分類結果の間にリンクを設定し, 同時に分類結果のうち新しい情報を含まない集合を忘却する対象として分類対象から徐々に外すことにより, 忘却されずに残り続ける日常的な行動と, 非連続に現れる非日常的な行動とを区別して提示を行うことができるシステムを構築した. このシステムでは, 利用者が, 解析を行うためのパラメータめ調整と, 解析動作を連係して行うことができるようにした. このシステムを用い, 蓄積された個人の行動履歴を, いくつの行動に分類するか, 忘却を行わせる際の忘却度合いをどの程度にするか, などのパラメータ調節を行うことにより, 「日常」と「非日常」の分類を行うことができた.
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