本研究はロボットや自律エージェントにおけるタスク割り当てや行動計画等の最適化問題および制約充足問題を対象としている。これらの問題に対するアルゴリズムを開発するのは困難である。本件急は進化計算手法を用いてこのような問題に対するヒューリスティック手法を自動的に検出する機械学習システムの構築を目的としている。 本年度は自律ロボットの行動計画問題に取り組んだ。自律ロボットの行動計画アルゴリズム開発は、実機におけるノイズ等が原因で非常に因難である為、ロボットが実行するアルゴリズムを機械学習法等により自動生成することが可能になるのが望ましい。具体的には博物館などの展示場でガイドロボットを使って、複数の来館者を相手に1台で同時案内するシステムの構築に取り組んだ。 まず、この展示場案内問題をモデル化して、ガイドロボットシステムの評価基準となる目的関数を定義した上で、ヒューリスティック・アルゴリズム(ガイドロボットの行動を制御するコントローラー)を数件提案した。このガイドロボットシステムを単純化したシュミレーションモデルを利用した進化プログラミング法を用いて、新たなコントローラーを自動生成した。自動生成したコントローラを実機に移植して、シミュレーションと実機環境両方で性能評価を行った結果、シミュレーションと実機、両方において、自動生成されたヒューリスティックが手作りヒューリスティックより優れた結果を得られる事を実証した。
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