研究概要 |
本年度の計画では主にレート歪み原理に基づく正規化学習手法の翻訳学習問題への応用に取り組んだ.初年度の成果として得られた複数の文書データを扱う翻訳学習手法に基づき文書データに付随するグラフ構造情報を利用する学習の枠組みを構築した.そこでは情報理論的学習の枠組みの自然な拡張で幾何的な構造を自然に統合することができることを示した.この手法をリンク特性を持つ文献目録データや文書ベンチマークに近傍構造を付加したデータに適用した.提案手法ItGAは既知の構造を利用した分析:トピック発見の他に,次元縮約法としても代表的なPLSA, LDAといった従来手法を上回る性能を文書クラスタリング・分類問題で示した.もう一方の提案手法GTMRではリンク構造の推定問題に関しても近年の研究を上回る性能を示した.それぞれの成果を国際会議に投稿した. 時系列データへの応用に関してはマイクロアレーデータ,金融時系列データに加えて自律移動ロボットの軌跡時系列データの部分系列クラスタリング・異常発見問題に主に取り組んだ.ロボット行動の特徴空間は多数の周期を同時に考慮する必要があるためさらに高次元データとなるが,データスカッシング・アンサンブル学習等の組み合わせによって対処し,オンラインの異常発見手法に利用できるインスタンスベース学習手法を開発した.その成果は国内の研究会と学術論文誌に投稿を行った.
|