研究概要 |
平成20年度は特許データベースの構築を行った。もとデータとして、欧州特許庁で開発されたWorldwide Statistical Patent Database(PATSTAT)を用いた。PATSTATは世界80特許機関に出願された6,000万件以上の特許出願もしくは特許を網羅したデータベースであり、出願人や発明者の情報、特許出願のタイトルや概要、国際特許分類、引用情報などが収録されている。このデータベースから、日本特許庁、米国特許商標庁、欧州特許庁への特許出願情報を抽出し、本研究のベースとなるSQLデータベースを構築した。また、構築されたデータベースからナノテクノロジー特許の抽出を行った。 この作業と並行して、特許出願のマッピングに用いるマッピングおよび可視化プログラムの改良を行った。マッピングプログラムに、分子動力学において大規模システムを計算する際に用いられるオーダーN法のアルゴリズムを実装し、数十万件規模の特許出願についてマッピングが可能なようにした。また、可視化プログラムについても改良を行った。これによってナノテクノロジー内に加えて、他分野への引用情報も含めたマップの作成を行う基盤が整備された。平成21年度は、平成20年度に整備されたデータベース及びプログラムをもとに、ナノテクノロジーを構成する技術群と既存分野で蓄積された知識の関係の構造化・可視化を試みる。
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