研究課題
本研究では、意思決定知識ベースシステムを実現するために、知識構造の抽出メカニズム、および知識ベースの基盤となるメタ知識構造の設計を目標としている。そのため22年度では、前年度のルールの抽出メカニズムを踏まえて、より現実的なデータとして時系列情報に含まれるイベントデータのシーケンシャルパターンに注目して、以下の2項目について研究開発を実施した。(1)ラフ集合によるシーケンスパターンのマイニングアルゴリズムを開発・実装(2)シーケンスを記述できる論理型言語とその推論システムの形式化1つ目の項目では、従来のラフ集合論によるデータマイニング手法を拡張して、シーケンス内に部分的に出現するパターンの組合わせを分析するメカニズムを開発・実装した。これにより、前年度に開発・実装した因果ルールの発見メカニズムや他のラフ集合データマイニングでは扱えなかったシーケンスパターンを論理的に分析してルールを生成することが可能となった。このメカニズムはイベントデータの分析に威力を発揮して、過去のイベント列から意思決定を支援するシステムを想定できる。2つ目の項目は、論理式の構文にシーケンス表現を取り入れた論理型言語とその推論システムの形式化である。これら2項目の成果によって、気象や経済の数値データから行為やプロセスのような離散データまで、異なるタイプのデータからルールやオントロジーの知識構造を抽出する方法の土台を提供できる。
すべて 2011 2010
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
Applied Soft Computing
巻: Vol.11, No.2 ページ: 2538-2547
Applied Artificial Intelligence
巻: Vol.24, No.10 ページ: 896-913