研究概要 |
セキュリティやマーケティング, HCIなどの分野において, 人物の注目方向の計測技術は重要な役割を果たす. これまでの映像からの視線や顔向きなどの計測は, 比較的高解像度で撮影した映像を詳細に分析して得るものがほとんどであった. しかし, 監視カメラなどの据え置き型カメラやロボットに搭載されたカメラによる広範囲の撮影では人物頭部が低解像度で観察されるなどの課題がある. そこで, 本研究では, 比較的低解像度で観察される人物頭部の向きを計測する技術を開発し, 店舗内の監視カメラやサービスロボットなどに適用することをめざす. 昨年度は, 複数識別器の出力の分布を手がかりとして, 低解像度画像か照, 高精度に人物頭部の向きを計測する手法を開発した.これには, Haar-like特徴に基づいたAdaBoost学習による識別器を用い, 識別器の出力を「対象らしさ」を表す値として得て, 人物頭部の各方向に対応した複数の識別器の「対象照しさ」を表す値の分布に基づいて, 人物頭部の向きを計測している.また, カメラによる追跡にレーザ測域センサか照得られる距離情報を統合することで, 単眼カメラとレーザ測域センサの組合せで, 複数人物を追跡する手法を開発した. 平成21年度は, 前年度の成果をさらに発展させるため, 新たに全方位カメラを導入し, これとレーザ測域センサを統合した手法の確立を目指す.さらに, 家族や友人などの人物グループでは, グループに所属する人物の注目方向がお互いの顔であったり, 特定の対象であったりする場合が多いといった知見に基づいて, 観察領域内の複数人物の注目方向や動き, それぞれの人物の被注目対象の分析により, 人物グループの検出などを行う予定である.
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